リハビリテーション(トピックス)| (和歌山県 田辺市) 田辺中央病院は、地域密着の医療を目指す病院です

　2023年6月28日に作業療法士が主体で事例検討会を行いました。
　今回は山根OTより、１人の患者様に対して短期間で2回のCOPMを行った結果、COPMの変化と在宅復帰に向けた目標設定が報告されました。今回の事例では、１回目に抽出された課題が短期間で解決したため２回目のCOPMを行い、新たな課題が抽出されました。この際、山根OTは発症前の役割に復帰することを目的に、患者様から｢したいこと｣として挙げられなかった作業でしたが、周囲から期待される作業を目標に設定しました。
　この目標について、参加者からは目標の設定根拠や目標の実現可能性について質問がありました。これらの質問に対し、山根OTは、「患者様のADLが急速に改善しており今後も改善が見込めること、また退院後の活動性を維持していくためにも発症前の役割に復帰することが必要である。」と説明しました。他に、退院後の屋外での活動について意見が交わされました。
　また、課題として、今回の目標は患者様と治療者の間で合意に至っていないことが挙げられました。COPMで｢したいこと｣として挙げられなかった作業を目標にするとき、患者様と治療者の間で合意することが大切であります。その点についても、意見が交わされました。
　山根OTからは、｢短期・長期を問わず、患者様が活躍できる役割へ復帰するために、具体的な目標を設定した上で患者様と治療者が合意し、進めることの重要性を学びました｣という感想がありました。
　今回の議論を活かし、患者様との間で合意を形成しながら目標設定できるよう努力してまいります。

（文責　藤田 純）

【事例検討会の風景】